これまで19 回の大会において、とても印象深い忘れられない戦いがある。
2008 年大会では北京五輪出場を狙うベテランと若手が一騎打ちとなった。ツアー初の決勝進出を果たした西堀健実・浅尾美和ペアとトップランカーの小泉栄子・田中姿子ペアが対戦。15 段のスタンド席の前で繰り広げられた戦いは、小泉・田中ペアが勝利した。
2010 年大会の女子において九州出身の選手が初めて頂点に立った。出場以来、大応援団が駆けつけてきた浦田聖子は8 年目で初優勝をつかんだ。好敵手・田中姿子・溝江明香ペアとの決勝戦のスコアは21-19,24-26,17-15と激闘そのものだった。
また熊本出身の期待の大型ブロッカー・畑辺純希が初めてベスト4 入りを果たしたのもこの大会。プール戦で畑信也・今井啓介ペアにフルセットの末勝利し、最終日への切符をつかんだ。
2011 年大会は、外国人選手と日本人選手の壮絶なバトルが繰り広げられた。男子の刺客はのちにアメリカ代表として五輪に出場するケーシー, パターソンだった。国内最速のレシーバー・西村とともに決勝進出。朝日健太郎・青木晋平ペアと対戦し負けはしたものの、18-21,21-19,18-20 と激戦を演じた。
一方の女子もアメリカのベテラン、大型のヘザー, ロウ。パワフルなプレーが武器の草野とともに勝ち進み、決勝戦は金田洋世・村上めぐみペアをフルセットの末倒し、頂点に立った。
記憶に残っているのは試合だけではない。印象的なペアとしてあげられるのは、ベテランの浦田聖子と大学1 年の坂口佳穗がペアを組んだ2015 年大会。坂口は大先輩の胸を借りて初のビッグ大会へ出場し鮮烈なデビューを果たした。
◎この記事は2019年9月に開催された「第20回霧島酒造オープン20周年記念誌」の「20thAnniversary Story」に掲載されたものを転載いたしました。
取材・文/吉田亜衣(BeachvolleyballStyle)